ダイズの乾燥種子は、播種直後に過湿環境に晒されると湿害を被る。種子への3時間以上の冠水処理は、生存率の有意な品種間差を誘引した。吸水速度は、種子浸漬時には処理10-30分の時間帯に、種子底面給水時には処理開始直後に有意な品種間差が認められた。これらの吸水速度の比は生存率と有意に関係していた。更に種皮透水性と種子浸透濃度を調べたところ、それぞれ、前者と後者の吸水速度に有意に関係していた。このように、ダイズ種子の冠水耐性は、種子の浸透濃度や種皮の透水性が複合的に吸水速度を律することで決定されている可能性が示唆された。
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