研究課題/領域番号 |
24658015
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
後藤 雄佐 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80122919)
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研究分担者 |
中村 聡 宮城大学, 食産業学部, 准教授 (00289729)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | スイートソルガム / 茎収量 / 節間長パターン / 茎形質 / 節間 |
研究概要 |
計画していた下記の実験1,2を行った.また,計画外ではあったが,前年行った実験がこの研究にも重要であると考えられたので,それを延長した形での実験3を行った. 実験1:スイートソルガム品種「風立」と「Wray」を用い,異なる播種期(5月7日,21日,6月4日,18日,7月2日,18日の6播種期)で栽培し,収穫期に,その茎の諸形質を調べた.特に茎の形状に関連する節間の長さと太さを測定し,それらを節間位順に並べた図形の描くパターンを出して,現在,比較している.これには,前年度までに同様の実験で蓄積したデータもあるので,全てをまとめて,本年度も引き続き,気象との関係を解析していく. 実験2:スイートソルガム品種「風立」と「Wray」を用い(5月21日播種),追肥と剪葉の処理を別々に行った.茎の各諸形質のパターンを用い,追肥や剪葉の影響を受ける節間を特定し,処理時期と影響の出る節間位との関係を明らかにした.現在は,引き続き,その影響の受け方を解析し,また,それら形質に現れた差異が,組織形態学的にどのような要因に起因しているのかを究明している. 実験3:東北地方での栽培に適合するソルガム品種(Arjuna,HS-G,FS501,FS902,Keller,KCS104,KCS105,KCS404,SG-1A,Wrayの10品種)を前年までと同様に栽培し,それぞれの節間形質パターンの年次による差異を比較検討した.2007年,2011年の結果も合わせ,年次間変動を解析した.その結果,生育初期の気温の差が,低位の節間の形質パターンに影響し,それが,最終的な茎の体積の大小の差を形作っていたことが,明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の3実験のうち,実験1においては,当初計画していたとおりのデータをとることができた.また,今まで蓄積していたデータとの照合も進んでいる. 実験2においても計画通りのデータが得られ,現在は,そのサンプルを使って,組織形態学的な解明を進めている. 実験3においては,今までと違った気象条件下でのデータを得ることができ,特に,前年度との気象の差が大きく,解析しやすいデータがそろった.現在,学会誌向けの論文作成を進めている.また,膨大な量のデータとなっている実験1についても,この実験3でのまとめ方をもとに,整理,解析を進めていくことが可能となり,急きょ実験3を組み込んだ成果があったと判断できた.
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今後の研究の推進方策 |
実験1に関しては,前もって行っていた研究も含め,同様の栽培での4年分のデータの蓄積ができた.今後は,これらをもとに,節間長パターンなどの茎の形質パターンへの気象の影響の解析に移る.膨大なデータを,どのような視点で整理していくのかが重要な課題となる.また,倒伏と深く関連すると考えられる太さのパターンについては,今まで知見の集積がないため,より丁寧に検討を進める予定である. 実験2に関しては,同様の実験を今年度も行い,データの蓄積をはかる.特に,組織形態学的な解析を進める.中心となるのは,追肥処理による節間がより肥大したり,剪葉処理により節間長が短くなるのは,細胞分裂が主に影響しているのか,細胞の大きさが変わることが主体なのかを明らかにすることである. 実験3は実験1におけるデータの整理法開発のために必要と判断して行ったものであり,今年度は,その解析を進めて整理し,論文にまで仕上げたいと考えている.
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次年度の研究費の使用計画 |
学会発表を他の経費でできたので,その分を,遠方で開催される今年度の学会で成果を発表することに回す.
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