サトウキビやススキ(Miscanthus sinensis)のようなNADP-ME型C4植物は、本来、低温には弱いが、トキワススキ(Miscanthus floridulus)は温帯地域の冬期でも常緑を保ち続ける。3年間の研究によって、トキワススキが夏期には高いバイオマス生産能を持ち、且つ冬期においても光合成機能および成長を維持していることが明らかになった。一方で、当初の目標に掲げた、冷温耐性に関わる遺伝子(バイオマーカー)の特定には至らなかった。今後、トキワススキとススキの比較解析をさらに進め、トキワススキの冷温耐性機構を明らかにし、寒さに強いC4作物の育成・開発に繋げたい。
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