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2013 年度 実施状況報告書

メッシュ被覆資材を利用したアレチウリのシードバング消費促進技術

研究課題

研究課題/領域番号 24658017
研究機関信州大学

研究代表者

渡邉 修  信州大学, 農学部, 准教授 (30360449)

キーワード外来生物 / 雑草防除 / 発芽生態
研究概要

特定外来生物で北米原産一年生雑草のアレチウリは日本各地の河川敷や畑に蔓延し,生物多様性や農業生産に大きな影響を与え,各地で防除に多くの人手とコストがかけられている。アレチウリは繰り返し同じ場所で発生し,大型の実生を展開する特徴から,安価で設置しやすいメッシュ被覆資材を使用し,アレチウリの大型の実生が通過できない環境を作り出し,発生抑制効果を明らかにする。メッシュ資材の下で多くの実生を発生させることで,長期的にシードバンクを減少させる技術を検討する。
アレチウリは既存研究で15℃以下で発芽しないことが報告されているが,長野県では春先の比較的早い時期から出芽が確認されているため,低温条件下での発芽特性を調査した。インキュベータ内で5,10,15,20℃明条件で発芽試験を行った結果,5℃では発芽しなかったが,10℃で23.8%,15℃で54.3%,20℃で54.4%の発芽率が確認され,10℃で発芽可能であることが示された。
野外におけるアレチウリの実生発生数を10日おきに調査した結果,5月から9月の間にコドラートに発生した個体数は最大で32個体/平米で,平均17.1個体であった。発生のピークは7月で,6個体/平米であった。現地に設置した気象センサーとアレチウリ発生数との関連を調べた結果,外気温が35℃近くでは発生はなく,また9/13以降(平均気温20℃以下)で発生がみられなくなった。
実生発生エリアに目開き4000μmメッシュ被覆資材を設置し,被覆資材内外でアレチウリ個体の発生量を比較した結果,資材内部では3.3dwg/平米,対照区で25.6dwg/平米を示し,メッシュ資材設置によってアレチウリの生育を大幅に抑制した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

メッシュ被覆資材によるアレチウリの発生抑制効果の成果報告は雑草研究(2013年,58巻別号P39)で発表し,低温による発芽特性は2014年雑草学会第53会大会(要旨集P09)で発表した。埋土種子数のカウントについてはコアサンプルの直径が不足し,野外での検出感度が低かったため,再調査を実施する必要がある。

今後の研究の推進方策

アレチウリが多発しているフィールドにおいてシードバンク由来の個体発生数を3年間測定し,自然条件下でどの程度埋土種子由来の個体が発生するのかを明らかにする。アレチウリの埋土種子の寿命を調べるため,H25年度から種子を素焼きポットに埋土し,2ヶ月に一度種子を掘り出して,発芽試験とTTCによる種子生存検定を行なっている。アレチウリの種子死亡率が直線的に上がる傾向が見られており,死亡率と時間との関連を示す一次回帰モデルを作成する。アレチウリの種子移動に関してはH24からH26まで環境省から飼養許可を取得した(特定外来飼養許可:12000374)。非農耕地で登録のあるDBN粒剤が,アレチウリに特異的に作用し,実生発生を大幅に抑制することが予備試験で示され,メッシュ資材と併用した使用方法を検討する。

次年度の研究費の使用計画

当初計画したよりも備品等が安価に購入できたため,次年度使用額が生じた。
翌年度分の助成金と合わせ,気象観測ロガーの消耗品購入に充てる計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] アレチウリの出芽反応と被覆資材による抑制効果2014

    • 著者名/発表者名
      渡邉修・伊藤茜
    • 学会等名
      日本雑草学会
    • 発表場所
      法政大学小金井キャンパス
    • 年月日
      20140329-20140330

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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