研究課題/領域番号 |
24658020
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
鈴木 章弘 佐賀大学, 農学部, 准教授 (50305108)
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研究分担者 |
有馬 進 佐賀大学, 農学部, 教授 (90140954)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 根粒 / 根粒菌 / 共生 / 窒素固定 / 光 / 遠赤色光 / 光質 |
研究概要 |
マメ科作物の栽培において高い生産性を確保するためには,根粒からの固定窒素の供給を高く保つことが必要であり,そのためには活性の高い多くの根粒を形成させることが肝要である.本年度は1)光質の制御による根粒形成促進技術の開発,2)補光による生育初期及び子実肥大期の根粒形成促進技術の開発,の2つの小課題についての研究を行った。 小課題1:遠赤色光カットフィルターまたはLEDライトで光質を制御し(太陽光中の遠赤色光は根粒形成を妨げる),マメ科作物を栽培して,個体の生長や根粒数,窒素固定活性等に及ぼす影響を調査した。遠赤色光カットフィルターとして,メガクールを用い対象区としては,通常のPOフィルターを用いた。それぞれの条件でダイズを栽培して根粒菌を接種し,1ヶ月後の根粒数を調査したところ,メガクール区の方が根粒数が多い傾向にあった。これについては再現性を確認する実験を継続しておこなっている。 小課題2:ダイズの発芽時に植物体へ赤色光または遠赤色光を補光し,個体の生長や根粒数等を調査した。赤色光を補光した場合は根粒数が多い傾向が見られたが,有意差はなかった。また遠赤色光を照射した場合は根粒数は有意に減少した。次に最初の3週間補光をしてその次の一ヶ月は太陽光のみで育て,植物体の成長や根粒数を調査した。その結果,遠赤色光区では,3週間後の根粒数は対照区と比較して少なかったが,さらに一ヶ月後の根粒数は対照区よりも有意に多かった。最初に抑制されていた根粒形成が補光をやめたことで急激に促進されたものと考えられた。したがって次年度は,この現象を利用した根粒数増加技術の開発をおこなう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小課題1では,遠赤色光カットフィルターとしてメガクールを用い,根粒菌接種後の根粒数が増加傾向にあることを確認できた。小課題2では,最初の3週間のみ遠赤色光を照射することで,それから1ヶ月後の根粒数を対照区よりも有意に増加させ得ることを発見した。
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今後の研究の推進方策 |
小課題1:初年度に遠赤色光カットフィルターとして,メガクールを用いダイズを栽培して根粒菌を接種し,1ヶ月後の根粒数を調査したところ,メガクール区の方が根粒数が多い傾向にあった。したがって2年目は,これについての再現性を確認する。 小課題2,3:初年度は,ダイズの発芽時の最初の3週間に,赤又は遠赤色光を補光をしてその次の一ヶ月は太陽光のみで育て,植物体の成長や根粒数を調査した。その結果,遠赤色光区では,3週間後の根粒数は対照区と比較して少なかったが,さらに一ヶ月後の根粒数は対照区よりも有意に多かった。したがって2年目は,この現象の再現性をもう一度確認する。さらにこの現象を利用して根粒数を増加させ,それを圃場に展開することで最終的な子実生産がどうなるかを調査する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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