ダイズの発芽時に赤色光または遠赤色光を3週間補光し,さらに4週間,太陽光のみで栽培を継続し,個体の成長や根粒数,窒素固定活性等を測定した。その結果,赤色光では予想された通り成長や根粒形成に無処理区と比較して大きな差は見られなかった。一方,遠赤色光を照射した場合は,3週間補光直後では根粒数が有意に減少していたにもかかわらず,その後4週間の太陽光のみでの栽培後には,驚くべきことに無処理区と比較して有意に根粒数が増加していた。播種直後の3週間では,遠赤色光によって根粒形成が抑制されていたものが,補光を止めることによって制限が外れ,その反動で無処理区よりも多くの根粒を形成したものと推察された。
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