研究課題/領域番号 |
24658029
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
北島 宣 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (70135549)
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研究分担者 |
山崎 安津 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 研究員 (70582584)
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キーワード | 果樹 / カンキツ / 無核性 / 胚乳 / ゲノムインプリンティング |
研究概要 |
シロイヌナズナで明らかにされているインプリンティング遺伝子MEA、DME、MET1、FIS2、FWA、PHE、SSRP1について、カンキツのゲノム情報をもとに相同性探索を行い、これらの遺伝子と相同性が高い、または同じファミリーに属するカンキツ遺伝子CLF、SWN、DME、ROS、MET1、FIS2、FWA、FWA2、PHEa、PHEb、SSRPが得られた。これらの配列をもとにプライマーを設計し、‘無核紀州’、キシュウミカン(有核)と‘大橘’のゲノムおよびcDNAをテンプレートとしたPCRを行い、増幅産物の塩基配列を調査した。その結果、ゲノムDNAでは9遺伝子にSNPが検出され、エキソン領域にSNPが検出されたのは8遺伝子で、‘無核紀州’とキシュウミカンの配列は一致していた。胚乳で発現するインプリンティング遺伝子が種子親由来か花粉親由来かを明らかにするためには、‘無核紀州’(=キシュウミカン)と‘大橘’が異なるアリルをホモで持つことが必須であるが、このような多型はFWA とPHEbで検出された。‘大橘’に‘無核紀州’を交配した若い種子のcDNAのFWAを調査した結果、‘無核紀州’型のみが検出され、花粉親のアリルのみが発現していることが示された。 ‘無核紀州’と‘大橘’、キシュウミカンと‘大橘’の正逆交雑を行い、上記カンキツ10遺伝子の発現を調査した結果、開花期の葯、胚珠および受粉1、2週間後の種子ではいずれも発現が認められた。 これらのことから、FWAはインプリンティング遺伝子であることが示された。一方、開花期から受粉2週間後までは、インプリンティング遺伝子と相同性の高い多くのカンキツ遺伝子が発現しており、これらがインプリンティング遺伝子であること示すためには、‘無核紀州’(=キシュウミカン)と異なるアリルをホモで持つ品種を探索する必要がある。
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