イネ有機栽培の育苗培土には、苗病害の発生を抑制する効果が存在する。有機育苗培土に含まれる微生物と、苗病害抑制効果との関連を解析するため、複数のイネ有機栽培農家の育苗培土懸濁液から培養法により細菌を単離した。個々の単離菌株培養液を施用した市販の慣行培土には、もみ枯細菌病などを抑制する菌株が存在した。さらに、培土中には難培養性微生物も存在することから、有機培土に含まれる微生物相の解析したところ、有機培土では、微生物種の豊富さと均等性が慣行培土に比べ、有機培土に共通して、明らかに高い傾向が認められた。したがって、有機培土に共通の特徴として、慣行培土よりも高い微生物多様性をもつ可能性が考えられた。
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