研究課題/領域番号 |
24658038
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
夏秋 知英 宇都宮大学, 農学部, 教授 (10134264)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | cucumber mosaic virus / satellite RNA |
研究概要 |
キュウリモザイクウイルス(CMV)の感染性クローンをNicotiana benthamiana に接種して数回継代接種すると、自然にサテライトRNA(satRNA)が出現する現象が見出された。そこでまず、この点を再確認した。しかし、病徴が軽くなる現象が起きる頻度はそれほど高くないようであった。このsatRNA は、全くCMV が存在しない人工気象器内で感染性クローンの接種実験を繰り返すと病徴にかかわらず必ず出現した。そこでさらに、CMVにおいてサテライトRNAが出現する植物種の調査および病原性軽減効果の発現する割合を調査したところ、N. benthamianaではサテライトRNAが必ず出現したが、メロンでは今のところ出現していない。しかし、N. benthamianaで出現したサテライトRNAを含むCMVをメロンに接種すると、サテライトRNAは消失しなかった。また、その塩基配列は少しずつ変異がはいっていった。このことから、CMVの感染によりN. benthamianaではRNA編集が起きてサテライトRNAが出現するが、メロンではそのようなメカニズムがない;しかしメロンでもサテライトRNAを複製する能力は存在する、と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は、サテライトRNAが自然に植物体中に出現することを再確認できた。また、植物種によってこの能力に差があることが見出された。よって、本研究はおおむね順調に進行していると考えられた。
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今後の研究の推進方策 |
新年度は、全ゲノム解析が終了しているシロイヌナズナとトマト(マイクロトム)において同様に、全くサテライトRNAを含まない感染性クローンのCMVを接種してサテライトRNAが出現するかを検討し、出現する場合はサテライトRNAの塩基配列の起源となるウイルス及び植物のRNA分子を明らかにし、さらにRNA編集のメカニズムを探る。両植物ともに全ゲノムが決定されているので、サテライトRNAの由来となる植物RNAをデータベースで検索することができると考える。
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次年度の研究費の使用計画 |
ほとんどがRNA抽出試薬、クローニングおよび塩基配列を決定する試薬あるいはDNAシーケンサの使用料、および実験用植物を育苗する試薬、などの消耗品費として使用する。
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