本研究では、21 番目のアミノ酸をコードできるカイコ系統を作出するための基盤研究を実施した。具体的には、終止コドンを利用して遺伝暗号を拡張する際に妨害要因となりうるNMD(nonsense-mediated mRNA decay)関連遺伝子をノックアウトし、本来NMDの標的となるmRNAを安定化できるか試みた。カイコNMD関連遺伝子を標的とするTALEヌクレアーゼをカイコ培養細胞に投与し、標的遺伝子配列の変化を解析するとともに、NMDに感受性の蛍光タンパク質の発現量変化を追跡した。その結果、標的遺伝子配列の変化は認められたものの、蛍光タンパク質発現量の明らかな変化は確認できなかった。
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