研究課題/領域番号 |
24658060
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤原 徹 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (80242163)
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キーワード | 栄養条件 / ホウ素過剰 / DNA損傷 / 進化 |
研究概要 |
本研究はホウ素過剰条件でDNA損傷が引き起こされることを基に、栄養条件を変化させることでゲノムへの変異の蓄積が変化するのかどうか、また、変化するならどのような遺伝子に変化が起きやすいのかを調査することを目的としている。栄養条件は進化にとって重要な要因であるが、本研究では栄養条件によってゲノムに変異が蓄積しやすいかどうかを検証することが需要であると考えている。このような調査には栄養条件を変えて世代を経て栽培した植物材料が必要であり、昨年度から今年度にかけてはその材料を取得することを中心に研究を進めてきている。今年度は昨年度に引き続きホウ素過剰条件でのシロイヌナズナの継代を進めてきた。ホウ素は過剰に与えると葉の壊死などを引き起こすが、与える量が少なければ、効果は観察されないものと推定される。これまでの研究ではDNA損傷が引き起こされるホウ素濃度は根での処理で1mM程度は必要であったが、植物を温室で栽培するにあたっては1mMでは種子の採取は難しく、より低い濃度での処理を進めている。また、材料が得られたところでゲノムの塩基配列を決定して変異の頻度などを推定することにしているが、本年度は、次世代sequencer解析で得られたデータを用いいて、変異部位の推定を行う予備的な検証を進めてきた。変異部位の推定には、配列を深く読む必要があること、対照となるゲノム配列の由来や、相互比較が重要であることがわかったので、材料が得られたところでは、これらの点に留意した解析を行うことにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ホウ素過剰条件での継代は、ホウ素を与えすぎると植物の生育が悪くなり過ぎ、与えないと効果が見られない可能性が高まるので、条件設定が難しいが、一定の進展はしてきていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究計画としては、継代によって得た系統についてのゲノム配列解析を進めて行きたいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
植物の継代栽培の条件検討等を行ったことにより、前年度の経費が少なめになり、またゲノム配列解析のための経費が予想より多く必要であるため 研究に必要な消耗品を購入するとともに、研究会への参加旅費などを想定している。
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