火山灰土に蓄積したリン酸アルミニウムやリン酸鉄を有効利用すると同時に,火山灰土のリン酸吸着能を低減することが可能かどうかを探る研究を行った.改良資材として製鋼スラグを選択し,1 haあたり200~120トン相当を施用し,1年間熟成した火山灰土畑土壌について土壌鉱物および土壌化学的なキャラクタリゼーションを行った結果,水に溶出するリン酸の濃度が上昇し,低リン酸濃度における土壌のリン酸吸着能が有意に低下した.また,土壌の平衡水抽出液はヒドロキシアパタイトに関して過飽和となった.製鋼スラグの多量施用が,冒頭に述べた目的を達成するために有効であることが示唆された.
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