アラニン(Ala)要求性大腸菌変異株を100~0.1 ug/mlのAla添加最少培地で培養し対数後期に達した細胞集団に占めるAla非要求性サプレッサー変異株の割合を調べた結果、サプレッサーの出現頻度は添加したAla量に依存して低下した。また、培養開始後経時的にサプレッサーの出現をモニターした結果、培養開始約30時間後からサプレッサーの出現が観察された。以上より、Ala飢餓ストレスを感知した細胞が、未知のシグナル伝達系を介して細胞内の代謝変化を起こた結果、突然変異が蓄積し最終的にAla飢餓環境下で選択されることによってサプレッサー変異株が出現したものと考えられた。
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