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2012 年度 実施状況報告書

パラコッカス属細菌のイノシトール代謝を用いたシロイノシトール生産系の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24658069
研究機関筑波大学

研究代表者

中村 顕  筑波大学, 生命環境系, 准教授 (10207863)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワードscyllo-inositol / Paracoccus / myo-inositol / inositol dehydrogenase
研究概要

1) Paracoccus sp. 43P株の推定myo-inositol dehydrogenase (IolG)の酵素活性の検討
43P株のiolG遺伝子を大腸菌で発現させ、同酵素を精製した。予想通り同酵素はmyo-inositol dehydrogenase活性を有していることを明らかにした。酵素活性の詳細な解析については今後行う予定である。
2) 43P株の推定inosose dehydratase遺伝子(iolE)破壊株の作製
43P株でmyo-inositol-scyllo-inositol変換系を構築するため、inositol代謝の下流遺伝子であるiolEを、カナマイシン耐性遺伝子を挿入することにより作製した。菌株が正しく構築されていることは、PCRにより確認した。同株はmyo-inositol資化能を欠損しており、予想通りの表現型を示した。
3) iolE破壊株を用いたmyo-inositol-scyllo-inositol変換系の検討
作製したiolE破壊株を用いて、myo-inositolからscyllo-inositolへの変換が可能かどうかを検討した。具体的には、同株をmyo-inositol及び炭素源としてglucoseを含む最少培地で培養し、経時的に培養液中のinositol異性体の分析を行った。その結果、この条件ではscyllo-inositolの蓄積は認められなかったが、培養中に細胞内のscyllo-inositol dehydrogenase活性が有意に上昇していることを検出した。今後は培養条件等について検討していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

43P株の形質転換系については、同時に進行していた基盤研究(B)課題でほぼ構築に成功していたものの、iolE破壊株の作製に手間取ってしまったため。

今後の研究の推進方策

1) IolGの酵素活性の検討
IolGがmyo-inositol dehydrogenase活性を有していることは確認できたが、反応産物の同定やkinetic analysis (特に反応平衡がdehydrogenase/reductaseのどちらに向かっているのか)については未着手の状態である。次年度はこの点について検討していく予定である。
2) 43P株を用いたmyo-inositol-scyllo-inositol変換系の検討
本年度作製したiolE破壊株を用いて、培地組成など培養条件を種々検討することにより、この変換系が実現可能かどうかを模索する。また、43P株はinosose isomeraseをコードするiolI遺伝子を保有しており、この酵素がscyllo-inososeをほかの化合物へ変換してしまっている可能性も考えられる。そこで、iolEに加えてiolIを同時に破壊した株を作製し、この株を用いた変換系についても検討していきたい。
3) 大腸菌を宿主としたmyo-inositol-scyllo-inositol変換系の検討
43P株を用いた変換系が期待通りに行かない場合、lgdA及びiolG遺伝子を他の宿主で発現させて変換系を確立することも考えられる。そこで大腸菌を宿主に、両遺伝子を同時発現させて、変換系として利用可能かどうかについて検討する。

次年度の研究費の使用計画

研究の実施に必要な装置類は既に整っているので、次年度の研究費は消耗品および研究成果発表のための旅費として使用する予定である。

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公開日: 2014-07-24  

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