本研究では、Paracoccus sp. 43P株のinositol代謝経路を用いて、安価なmyo-inositol (MI)を、アルツハイマー病の治療薬として期待されるscyllo-inositol (SI)へと変換する生産系の確立を目指した。まずSIへの変換に関与する2種の酵素(IolG, LgdA)を精製し、試験管内での反応を行ったところ、最大で35%の変換効率でSIが生産された。このことから予定したSI生産系の確立が可能であることが示された。次に43P株のiolE破壊株を用いてSI生産を検討したところ、約20%の変換効率でSI生産が可能であった。
|