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2012 年度 実施状況報告書

新規N3化合物分解酵素の機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 24658070
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関筑波大学

研究代表者

小林 達彦  筑波大学, 生命環境系, 教授 (70221976)

研究分担者 熊野 匠人  筑波大学, 生命環境系, 助教 (70585025)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード細菌 / 酵素 / 代謝 / 分解
研究概要

N3化合物は、アジ化ナトリウム混入事件で知られるように、極めて猛毒性の高い物質である。N3化合物は多方面で利用されている化合物ではあるが、その多くが毒性や爆発性を有する。N3化合物は数少ないが天然物としても存在することが見いだされている。しかし、それらが如何にして生合成・生分解されるかについての報告(微生物を含)は全く無く、その代謝(およびそれに関わる酵素および遺伝子)は未解明である。
本研究では、N3化合物を分解する酵素を分子レベルで解析し、得られる情報を基に、これらの物質を効率よく無害化あるいは有用物質に安全に変換する微生物を新規に育種することを目的とする。
これまでに諸条件を検討し確立した最適培養条件でN3化合物分解菌を培養し、(本化合物分解活性を指標に)各種クロマトグラフィー操作によって、SDS-PAGE上で単一バンドになるまでN3化合物分解酵素を単離精製することに成功したが、本化合物分解活性は非常に不安定であり、かつ、精製酵素量は極く微量で十分酵素量が得られていない。そのため、N3化合物分解酵素の安定性向上を目的として、いくつかの条件検討を行ったが、これまでに本酵素の安定化条件は見つかっていない。そこで何度も大量培養および大量精製を行い、(N3化合物分解酵素をコードする遺伝子をクローン化するため)本酵素のN末端および内部アミノ酸配列の決定に必要な酵素量の精製を完了した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

精製途中および精製後のN3化合物分解酵素を安定化させるために、様々な条件検討を行ったが本酵素の安定性が向上する条件が見つからないため当初の想定より遅れてしまった。しかし、大量培養と大量精製を繰り返すことで、(本酵素構造遺伝子のクローン化に必要な情報を得ることができる)本酵素のN末端および内部アミノ酸配列の決定に必要な酵素量を獲得でき、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

N3化合物分解酵素のアミノ酸配列の決定に必要な酵素量は精製できたものの、本酵素の酵素化学的諸性質の解析に必要な酵素量は獲得できていない。そのため、今後も引き続き大量培養および精製を行い、本酵素の酵素化学的諸性質の解析を行う予定である。本酵素の大量精製が困難である場合には、精製と並行しながら、ショットガンクローニング法によりN3化合物分解酵素遺伝子の同定を行う予定である。
また、精製した酵素を用いて末端および内部アミノ酸配列を決定し、その情報を基に構造遺伝子全長をクローン化し塩基配列をシークエンスすることで、一次構造を決定する予定である。

次年度の研究費の使用計画

上記の計画に必要な、分析用試薬,タンパク質精製樹脂、遺伝子操作試薬、HPLCカラム類、ガラス類、プラスチック類などの消耗品の購入や、情報収集のための旅費として使用する計画である。

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公開日: 2014-07-24  

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