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2013 年度 実施状況報告書

新規N3化合物分解酵素の機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 24658070
研究機関筑波大学

研究代表者

小林 達彦  筑波大学, 生命環境系, 教授 (70221976)

研究分担者 熊野 匠人  筑波大学, 生命環境系, 助教 (70585025)
キーワード細菌 / 酵素 / 代謝 / 分解
研究概要

N3化合物は、アジ化ナトリウム混入事件で知られるように、極めて猛毒性の高い物質である。N3化合物は多方面で利用されている化合物ではあるが、その多くが毒性や爆発性を有する。N3化合物は数少ないが天然物としても存在することが見いだされている。しかし、それらが如何にして生合成・生分解されるかについての報告(微生物を含)は全く無く、その代謝(およびそれに関わる酵素および遺伝子)は未解明である。
本研究では、N3化合物を分解する酵素を分子レベルで解析し、得られる情報を基に、これらの物質を効率よく無害化あるいは有用物質に安全に変換する微生物を新規に育種することを目的とする。
目的とするN3化合物分解酵素は非常に不安定であり、本酵素の安定化条件は見つかっていないためN3化合物分解菌を最適培養条件で何度も大量培養を行い、精製を行った。精製酵素のN末端および内部アミノ酸配列を決定することに成功した。しかし、決定したN3化合物分解酵素の内部部分アミノ酸配列ではプライマーの作成が困難であった。
精製酵素のアミノ酸配列情報からの構造遺伝子のクローン化と並行して、ショットガンクローニング法によるN3化合物分解酵素遺伝子のクローン化を試みた。まず、N3化合物分解菌からゲノムDNAを調製し、制限酵素により切断後、アガロースゲル電気泳動により断片の大きさで分画し回収した。これら分画した断片をプラスミドに連結し、N3化合物分解菌が生育可能なN3化合物濃度で生育できない大腸菌に導入した。抗生物質耐性株は得られたが、目的とするN3化合物に耐性を示す大腸菌株の取得には成功していない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

N3化合物分解酵素は非常に不安定であるが、大量培養した菌体を用いて何度も精製を行うことで本酵素のN末端および内部アミノ酸配列を決定することに成功した。しかし、決定できた内部部分アミノ酸配列ではプライマーの作成が困難であり、本方法ではN3化合物分解酵素遺伝子のクローン化に至っていない。そのため、ショットガンクローニング法によってもN3化合物分解酵素遺伝子のクローン化を試みた。N3化合物分解菌のゲノムDNAライブラリーの構築には成功したが、現在のところ目的の表現型を示す大腸菌の取得には至っていない。

今後の研究の推進方策

N3化合物分解酵素を再度精製し、新たな方法で(今年度とは異なる部分の)内部アミノ酸配列を決定し、その情報を基にN3化合物分解酵素遺伝子のクローン化を行う予定である。これと並行し、引き続き本菌のゲノムDNAライブラリーを構築し、その中ならN3化合物に耐性を示す大腸菌株を取得することにより分解酵素遺伝子のクローン化も試みる予定である。

次年度の研究費の使用計画

精製したN3化合物分解酵素のN末端および内部部分アミノ酸配列を決定後、その情報を基にプライマーを作成し、N3化合物分解菌の染色体DNAを鋳型としてPCR法を用いて、本分解酵素構造遺伝子をクローン化する予定であった。しかし、決定したN3化合物分解酵素の内部部分アミノ酸配列ではプライマーの作成が困難のため年度内の完了は不可能となり、新たな方法を採用することが必要となったので未使用額が生じた。
上記の計画に必要な、分析用試薬、遺伝子操作試薬、HPLCカラム類、ガラス類、プラスチック類などの消耗品の購入や、情報収集のための旅費として使用する計画である。

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公開日: 2015-05-28  

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