化学窒素肥料には、コストや環境汚染などの諸問題がある。そこで、植物に窒素源を与える手法として窒素固定細菌の応用を考え、共同的窒素固定細菌に分類される酢酸菌Gluconobacter diazotrophicus(Gdiと略)に着目した。サトウキビから分離された本菌は、宿主特異性が緩やかで、多様な非マメ科植物体内に棲息可能である。そこで、Gdiの生育特性を検討した。その結果、Gdiは高濃度(28mM以上)のリン酸を含む固体培地で培養した場合に粘性の高い多糖を菌体外に分泌生産することを見出した。レバンと同定されたこの多糖が、Gdiの作物への感染や自己防御に機能していると考えられた。
|