糸状菌バイオフィルム(カビ塊)の制御は食品産業,工業、医療現場、住環境の衛生管理上重要な課題である。糸状菌のバイオフィルム形成は対象物の表面を「認識」して「接着」することにより開始される。しかしこのメカニズムの詳細は明らかになっていない。本研究ではイネ病原性糸状菌であるいもち病菌をモデルに用い、表面工学と分子生物学を組み合わせた手法を用いて接着メカニズムの解析を行った。結果、糸状菌の接着を阻害するシグナル伝達経路と糸状菌の初期接着に重要なタンパク質を見出した。本成果は糸状菌のバイオフィルム形成阻害/バイオフォルム除去技術開発の上での基礎的知見となるものである。
|