研究課題/領域番号 |
24658092
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
海老原 章郎 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (60415099)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | レニン・アンジオテンシン系 / 血圧調節 / レニン / プロレニン / プロ酵素 / 酵素化学 |
研究概要 |
プロテアーゼ阻害剤開発における基本戦略は、活性部位に特異的に結合する基質類似物による酵素の不活性化である。しかし多くのプロテアーゼは、もとは不活性なプロ酵素として作られる。本研究の目的は、血圧調節プロテアーゼ・レニンを対象として、プロ酵素に備わる不活性化機構を酵素化学および構造生物学の手法によって解明し、新しい創薬への応用性を探ることである。 本年度は、研究に必要となるタンパク質の調製と特性解析を行った。様々な大腸菌宿主を用いて組換え型プロレニンの発現条件を検討し、活性を示す可溶性の酵素画分が存在する条件を見いだした。ついで、大腸菌宿主を用いた組換え型アンジオテンシノーゲンの発現系と精製法を確立した。酵素レニンに対するアンジオテンシノーゲン精製標品の酵素化学的パラメータは、動物細胞で発現した組換え型基質の値と同程度であったので、本研究の推進に十分に資するものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究に必要な組換え型アンジオテンシノーゲンは準備でき、活性を示す組換え型プロレニンの発現条件を見いだした点は大きな進歩である。しかし、現時点では、組換え型プロレニンの精製標品が得られていないので、現時点での達成度はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
組換え型プロレニンの大量発現系を早急に構築する。これまで用いてきた大腸菌発現系に加え、結晶構造解析の実績のある真核生物の発現系も検討する。さらに、非天然アミノ酸導入の効率を高めるため、大腸菌発現系による組換え型アンジオテンシノーゲンの発現量を向上させる。
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次年度の研究費の使用計画 |
大腸菌発現系ならびに真核生物発現系を用いて、組換え型プロレニンの大量発現系を構築する。部位特異的に非天然アミノ酸・アジドチロシンを導入した組換え型アンジオテンシノーゲンを調製し、酵素化学的パラメータを決定する。次に、動物細胞を用いて調製した組換え型プロレニン標品とアジドチロシン導入組換え型アンジオテンシノーゲン標品に対し光架橋実験を行う。複合体形成の成否を電気泳動で確認し、その結果を踏まえアジドチロシンの導入箇所を最適化する。プロレニンのプロセグメント断片を調製し、酵素レニン(プロセグメント無し)との結合定数を決定する。
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