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2012 年度 実施状況報告書

植物におけるアミロイド様蛋白質の金属生理学的役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24658093
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関静岡大学

研究代表者

原 正和  静岡大学, 農学部, 教授 (10293614)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードデハイドリン / 天然変性蛋白質 / アミロイド
研究概要

本研究は、植物からアミロイド様の物性を示すタンパク質を見出し、その凝集メカニズムと生理機能を解明して、生物におけるアミロイドの意義を拡張しようとする試みである。H24年度では、植物アミロイド候補遺伝子データベースの完成を中心に行った。われわれが研究中のデハイドリン及び既知のアミロイド蛋白質の配列特性から、Hisを高含有する天然変性蛋白質は、植物アミロイドの良い候補遺伝子といえる。この観点から、シロイヌナズナの遺伝子データベースを利用し、His含有率の指標にしたアルゴリズムを適用し、シロイヌナズナの高His含量序列リスト、高His含量ドメインをもつ遺伝子リストを完成させた。このリストから、His残基が多く、天然変性スコアが高く、発現量が多いものを5個選択し、大腸菌発現用ベクターに組み込んだ。次年度では、これらの発現を進めたい。
さて、今回、初めて作出された、シロイヌナズナの高His含量序列リストは、大変有用である。高His含量トップ10の遺伝子には、His含量が12%から19%に至る風変わりな遺伝子が列挙された。同時に、天然変性タンパク質と予測されたものが8遺伝子あった。Hisは重金属と結合する性質があるため、これらのタンパク質は、重金属結合型の天然変性タンパク質といえる。ところで、動物の脳神経疾患等の原因となるアミロイドもまた、重金属と結合して物性を変化させる天然変性タンパク質である。従って、上述の植物タンパク質は、アミロイドとしての特徴を有すると予想される。H25年度は、これらのタンパク質において、凝集メカニズムとラジカル静止作用について調査する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究のスタートとして、植物アミロイド候補遺伝子データベースを完成させる必要があり、H24年度はその完成を目標とした。期間内にデータベースが完成し、具体的な植物アミロイド候補遺伝子を選択することが出来たので、概ね順調と評価した。

今後の研究の推進方策

上記のように、研究は、概ね計画通りに進んでいる。現状では、H25年度以降、研究計画を変更する必要はないと考えている。H25年度では、計画通り、候補タンパク質の凝集化メカニズム試験とラジカル静止活性の測定を実施する。

次年度の研究費の使用計画

経費は、主に消耗品(試薬、キット、プラスチック器具類)に充てる。次年度の終盤には、本研究の前半にあたる部分の成果がまとまるので、学会発表と英語論文執筆を行いたい。従って、旅費と英文校正に関する経費を計上する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Precise, fast and flexible determination of protein interactions by Affinity Capillary Electrophoresis: Part 2: Cations2013

    • 著者名/発表者名
      Sabine Redweik, Claudia Cianciulli, Masakazu Hara, Yuanhong Xu, Hermann Wätzig
    • 雑誌名

      Electrophoresis

      巻: 34 ページ: 1812-1819

    • DOI

      10.1002/elps.201300050

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A KS-type dehydrin and its related domains reduce Cu-promoted radical generation and the His residues contribute to the radical-reducing activities2013

    • 著者名/発表者名
      Masakazu Hara, Mitsuru Kondo, Takanari Kato
    • 雑誌名

      Journal of Experimental Botany

      巻: 64 ページ: 1615-1624

    • DOI

      10.1093/jxb/ert016

    • 査読あり
  • [学会発表] シロイヌナズナのHis-richデハイドリンAtHIRD11の機能研究

    • 著者名/発表者名
      加藤雄成、篠田友里、原正和、近藤満
    • 学会等名
      日本農芸化学会中部支部 第165回例会
    • 発表場所
      名古屋大学(愛知県)
  • [学会発表] Hisリッチデハイドリンのアデノシン関連物質との結合に関する研究

    • 著者名/発表者名
      田中 莉子、加藤 雄成、原 正和
    • 学会等名
      日本農芸化学会中部支部 第165回例会
    • 発表場所
      名古屋大学(愛知県)
  • [学会発表] シロイヌナズナデハイドリンによる酵素活性の変化

    • 著者名/発表者名
      門奈修平、加藤雄成、原正和
    • 学会等名
      日本農芸化学会中部支部 第165回例会
    • 発表場所
      名古屋大学(愛知県)
  • [備考] 植物機能生理学研究室(原)

    • URL

      http://www.agr.shizuoka.ac.jp/abc/envplant/index.html

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公開日: 2014-07-24  

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