根部のトレハロース処理により,抵抗性に関与する転写因子WRKY10およびWRKY45の発現がまず短時間で根部に誘導され,6-12時間目以降に地上部にも誘導された.転写因子の下流で実際に抵抗性の発現に関与している防御(PR)タンパク質の発現も2-4時間後から蓄積を始め,地上部では12-48時間後にかけて強く誘導された.これらの結果から,根部で発生したシグナルが地上部に伝えられることが示唆された.トレハロース処理後根部において1時間以内に急激なジャスモン酸(JA)およびその活性体(JA-Ile)の蓄積が見られたことから,ジャスモン酸およびその代謝物がシグナル分子である可能性が示唆された.
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