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2013 年度 実施状況報告書

イネ由来新規糖転移酵素の探索とジャスモン酸の不活性化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24658102
研究機関北海道大学

研究代表者

松浦 英幸  北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20344492)

キーワード植物の傷害応答 / 植物ホルモン / ジャスモン酸 / ジャスモン酸アミノ縮合体 / 配糖体化ジャスモン酸
研究概要

イネ由来新規糖転移酵素の探索とジャスモン酸(JA)の不活性化機構の解明に関して、下記の結果を得た。
イネ由来新規糖転移酵素としてOsGlu1を糖転位酵素と同定した。糖転位酵素を同定できた事から、イネ由来の糖の供与体の探索を行った所、サリチル酸グルコシド(SAG)が同定された。本化合物はJAと拮抗作用を有すると認知されているサリチル酸(SA)の誘導体であり、大変興味深い。傷害応答時のSAG、SAの内生量を測定したとところ,一過的にSAの含有量が上昇し、SAGの内生量が下がる事が明らかとなり、12OHJA, 12OGlcJAの内生量の上昇と連動していた。現在は本酵素の酵素学的諸性質を検討中である。
ジャスモン酸(JA)の不活性化機構に関しては12OHJAにイソロイシンが結合した化合物(12OHJA-Ile)の他に、フェニルアラニン、バリンの結合した新たな化合物を、12OHJA-Ile生合成酵素の反応製より、新たに見いだした。これらの化合物は12OHJA-Ile同様な傷害応答における動態を示した。生物活性について検討した所、JA-Ile>JA-Val>JA-Phe>12OHJA-Ile>12OHJA-Val>12OHJA-Pheの順でアラビドプシスの根の伸長を抑制した。また、最終的な代謝産物として、12OGlcJA-Ileを想定し、合成、傷害応答時における蓄積量を測定した。その結果、12OHJA-Ileの内生量が断然多く、最終代謝産物として他の化合物の存在、もしくは活性化合物の貯蔵機構が存在すると示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

イネ由来新規糖転移酵素を同定できた事から、十分に計画を達成できたと考える。拮抗作用粗示す化合物の配糖体が、JAの配糖体化時の糖供与体として同定できた事も大変興味深い。最終年度は酵素学的諸性質を明らかとし、論文化を目指す。
ジャスモン酸(JA)の不活性化機構に関しては12OHJA-Ileが最終的な不活性化体の第一候補である。液泡などへの封入が不活性化機構と考えて、証明法について検討中である。

今後の研究の推進方策

イネ由来新規糖転移酵素の酵素的諸性質は一般的方法に従い決定する。配糖体化に関しては糖部分を重水素ラベル化したSAGを合成し、JA配糖体の糖部分に、重水素ラベルが存在する事を示す予定である。
ジャスモン酸(JA)の不活性化機構に関しては12OHJA-Ileが最終的な不活性化体の第一候補と考える。液泡などへの封入機構についての証明法について検討中である。

次年度の研究費の使用計画

当初の旅費の予定より,少額で出張が完了したため。
旅費として、使用予定。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] CYP94B3 activity against jasmonic acid amino acid conjugates and the elucidation of 12-O-β-glucopyranosyl-jasmonoyl-L-isoleucine as an additional metabolite2014

    • 著者名/発表者名
      Naoki Kiatoka, Hiroshi Kawaide, Takuya Matsubara, Kosaku Takahashi, Kensuke Nabeta, and Hideyuki Matsuura
    • 雑誌名

      Phytochemistry

      巻: 99 ページ: 6-13

    • DOI

      10.1016/j.phytochem.2013.12.019

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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