近年の研究から光屈性はオーキシンの偏差分布だけでなく、特に初期応答では光照射側組織で生成した成長抑制物質の関与の可能性も示唆されてきた。興味深いことにその多くは各植物固有のファイトアレキシンであった。本研究では植物の生体防御機構の一つであるファイトアレキシン産生と光屈性反応が機能的にクロストークしている可能性を明らかにする目的で研究を行った。 光誘導性成長抑制物質(以下、光屈性制御物質と呼ぶ)の細胞伸長抑制メカニズムの解明、光屈性反応とファイトアレキシン産生との関連性を中心に検討を行い、得られた結果は光屈性刺激の初期応答反応は生体防御応答反応と関連していることを強く支持するものとなった。
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