プラスマローゲン(Pls)はグリセロリン脂質のサブクラスであり、ラジカル感受性が高いため動脈硬化防御因子と考えられている。一方、動脈硬化惹起性が知られているトランス脂肪酸の作用機構は不明な点が多い。トランス脂肪酸高含有食をラットに4週間以上摂取させ、LC-MS/MSによりPls分子種分析を行った結果、Plsにトランス脂肪酸が多く取り込まれた。このラット血清よりLDL分画を調製し、ヒト臍帯静脈由来血管内皮細胞に添加した結果、細胞接着因子であるVCAM1および単球遊走因子MCP1の発現が増加した。トランス脂肪酸含有Plsは、血管内皮細胞において動脈硬化惹起性変化を誘導することが示唆された。
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