食事誘導性肥満において、脂肪組織やさまざまな臓器で慢性的な炎症が生じる。食事摂取後のリンパ管には脂質以外にも様々な食事由来抗原が流入し、これらの抗原に免疫系が応答すると考えられる。本研究ではリンパ管カニュレーション法を適用して、脂質吸収時にリンパ管に流入する因子を評価した。脂質吸収開始後数時間でinterleukin-6 (IL-6)およびglucagon-like peptide-1濃度が投与前より有意に増加した。絶食時及び脂質食摂取時の消化管粘膜での遺伝子発現解析結果から、脂質の吸収に伴いIL-6産生細胞の粘膜への遊走が生じた可能性が示唆された。
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