これまでに低タンパク質食や全アミノ酸欠乏に対してmiRNA203が応答することやその標的遺伝子としてHADHBとNaa50を見出している。本研究ではロイシン単体の欠乏に着目し、変動するmiRNAの解析を行った。通常のMEM培地で培養した群をコントロール群とし、ロイシンを欠乏させたMEM培地をロイシン欠乏群とした。培養開始12時間後にtotal RNAを回収した。GeneChip miRNA Array 3.0 (Affymetrix)による解析の結果、ロイシン欠乏時にその発現が上昇するmiRNAが12個抽出された。また同一のtotal RNAサンプルを、GeneChip Human Genome U133 Plus 2.0 Array (Affymetrix)に供して得られた遺伝子発現プロファイルも取得しそのパターンとの比較を行ったところ、miR-149*がup-stream regulatorのカテゴリー最上位にランク付けされた。続いて、RT-qPCRを利用して、miRNA Arrayの結果の再現性を確認した。その結果miRNA Arrayでの結果と同様に、ロイシン欠乏時にmiR-149*の発現量が対照群と比較して2倍程度に上昇していることが確認でき、miRNA Arrayの再現性が認められた。 そこで、HepG2細胞において合成miR-149*とそのインヒビター、さらにmiR-149*の結合配列をルシフェラーゼ遺伝子に連結させたPlasmid vectorを共トランスフェクションし、ルシフェラーゼアッセイに供した。合成miR-149*の導入により、ルシフェラーゼ遺伝子の発現量が約80%抑制され、このmiRNAの機能解析に活用できる系が取得できた。
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