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2012 年度 実績報告書

植物成分グルタチオン抱合体の機能性解析と応用

研究課題

研究課題/領域番号 24658122
研究機関名古屋大学

研究代表者

内田 浩二  名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (40203533)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2013-03-31
キーワードグルタチオン / グルタチオン化 / 抱合体 / イソチオシアネート / イベリン / 抗炎症性 / 自然炎症 / Toll様受容体
研究概要

グルタチオン抱合体形成(グルタチオン化)は、生物が有する代謝メカニズムの一種であり、低分子化合物を抱合形成により修飾する反応である。グルタチオン抱合体を形成する低分子化合物のうち、アブラナ科植物に含まれるイソチオシアネート化合物は、イソチオシアネート基 (N=C=S) の炭素原子の電子不足からチオール化合物(システインやグルタチオンなど)による抱合反応を受けやすい。本研究では、キャベツから単離されたイソチオシアネート化合物イベリンを用い、グルタチオンおよびタンパク質チオール基との反応性について詳細に検討した。
HEK293細胞にTLR遺伝子およびレポーター遺伝子を導入することで安定発現株を作製し、レポーターアッセイ系を確立し、さらにTLRシグナル経路を抑制する野菜抽出物および活性物質のスクリーニングおよび構造解析を行った結果、キャベツ酢酸エチル抽出物よりイソチオシアネート化合物イベリンを同定した。イベリンとチオール化合物との反応性についての解析を行ったところ、イベリンとN-アセチルシステイン (NAC) との反応により新たなピークが生成することが確認され、LC-MS分析の結果から、保持時間26分付近のピークがイベリンとNACの反応物であることが示唆された。しかしながら、NACとイベリンの分子量が同一であったため、解析が困難であった。そこで、NACの代わりにグルタチオンをイベリンと反応させ、LC-MS分析を行った結果、イベリンとGSHの反応物と思われるピークが検出され、イベリンはチオール化合物と抱合体を形成することが確認された。さらに、イベリンのチオール抱合体についてTLRシグナリングに与える影響を調べたが、抱合体形成によりイベリンの抗炎症性は完全に消失していることが明らかになった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Redox-derived damage-associated molecular patterns: Ligand function of lipid.2013

    • 著者名/発表者名
      Koji Uchida
    • 雑誌名

      Redox Biology

      巻: 1 ページ: 94-96

    • DOI

      10.1016/j.redox.2012.12.005

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Hydrogen sulfide anion regulates redox signaling via electrophile sulfhydration.2012

    • 著者名/発表者名
      Motohiro Nishida
    • 雑誌名

      Nature Chem. Biol.

      巻: 8 ページ: 714-724

    • DOI

      10.1038/nchembio.1018

    • 査読あり
  • [学会発表] 炎症消散作用を示す機能性食品2012

    • 著者名/発表者名
      内田浩二
    • 学会等名
      日本食品科学工学会 産官学交流シンポジウム
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20121218-20121218
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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