研究課題/領域番号 |
24658124
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤村 由紀 九州大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (20390304)
|
研究分担者 |
瀬戸山 大樹 九州大学, 学内共同利用施設等, その他 (30550850)
三浦 大典 九州大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (40532627)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | メタボロミクス / 機能性食品 / 質量分析 / 代謝物プロファイリング / 緑茶カテキン |
研究概要 |
表現型に最も近い代謝物は、“今何が起きたか?”を最も反映した生体情報であることから、微細な生体応答解析での重要性が強く指摘されている。本研究では、申請者独自の技術であるマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI-MS)を基盤とする微量細胞から高感度に代謝物を検出する手法を先鋭化し、技術的ボトルネックとなっていた計測可能な(イオン化可能な)分子種の網羅性、測定感度や精度を向上させた代謝物解析法を開発することを目的としている。これを達成するために、まず、検出代謝物のカバレッジを拡げる必要があり、標準品レベルで主要な生体内代謝物(200種類)に対する各種マトリックスの適合性を検証した。9-アミノアクリジン(9-AA:我々が見出した現在最も代謝物検出能が高いマトリックス)およびこれを基盤とした30種類以上の新規合成マトリックスを用いた検討により、複数の合成マトリックスが9-AAでは検出不可能な様々な代謝物を検出(イオン化)できることが明らかとなった。有用なマトリックスの創出に必要不可欠な代謝物のMALDIイオン化機構はほとんど分かっていないため、現在、本研究で取得したデータをもとに、代謝物の構造情報とイオン化能およびイオン化効率の詳細な相互関係についての検証(定量的構造活性相関分析)を進めている。また、標準品レベルで有用性が確認された複数のマトリックスを用いて、微量の培養細胞レベルでの各種代謝物のイオン化の有無についても同時に検討を試みている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通りに、標準品レベルでの各種マトリックス適合性の評価が完了し、微量細胞レベルでの検討段階に進んだため。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度開発された基盤技術をさらに先鋭化するとともに、微量の培養細胞および動物組織由来の細胞レベルでの一連の代謝物の検出能の評価ならびにMALDI法による幅広い代謝物解析(同定およびプロファイリング等)を可能とするプラットホームの構築を目指す。
|
次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
|