尾根に配置されている保護樹帯から供給される広葉樹リターによる林床被覆(地表面の被覆)が、表土の雨滴侵食をどの程度からの保護できるかを実験的に評価した。 斜面傾斜の異なる二つのヒノキ林で林床被覆率、林内雨量、リターフォール量、表面流侵食量および雨滴侵食量を平成24年5月から平成26年3月までの23か月間観測した。その結果、保護樹帯の効果は急傾斜地で10~15mまでの範囲にあり、距離が近いほど、広葉樹リターフォール量が多くなり、急斜面では広葉樹リターフォール量が林床被覆率を支配することにより、保護樹帯近辺での表土侵食の軽減効果を規定していることが明らかとなった。
|