イソプレンは植生が最も多く放出する揮発性有機化合物である。本研究ではコナラ属の森林のイソプレン放出特性を明らかにすると共に、周辺域への拡散過程の評価を行った。自動開閉式のチャンバーとPTR-MSを用いてコナラ、ミズナラ、カシワにのイソプレン放出量の連続観測を行った結果、夜間放出が存在することと、日変動、空間変動および環境応答特性を明らかにした。さらに多点観測の結果から、イソプレンが森林大気の周辺域への拡散過程を評価する上で非常に有効な指標となることを示した。地球温暖化でイソプレンは夜間の放出量が増加する可能性が示唆されたことから、さらにこの分野の詳細な研究が必要と考えられた。
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