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2013 年度 実績報告書

安定炭素同位体比および微量元素からみた植物リターの終末

研究課題

研究課題/領域番号 24658144
研究機関独立行政法人森林総合研究所

研究代表者

酒井 正治  独立行政法人森林総合研究所, 立地環境研究領域, 主任研究員 (00353699)

研究分担者 世良 耕一郎  岩手医科大学, 医学部, 教授 (00230855)
林 徳子  独立行政法人森林総合研究所, きのこ・微生物研究領域, 主任研究員 (20353815)
山田 竜彦  独立行政法人森林総合研究所, バイオマス化学研究領域, チーム長 (90353903)
キーワード有機物分解 / 炭素同位体比 / 微量元素 / リグニン / セルロース
研究概要

森林炭素動態の精密化のため、土壌および土壌への有機物供給源としての葉と細根の安定炭素同位体比および微量元素を指標を使って、土壌有機物の分解・堆積過程を解析した。土壌への有機物供給源の葉および根の抽出成分(エタノール抽出分、アルベン抽出分、クラソンリグニン、ヘキサン抽出分、脱脂粉分、セルロース、熱水抽出分)の炭素同位体比と土壌深度別炭素同位体比を比較検討した結果、リグニンの炭素同位体比が土壌の炭素同位体比に近いという予想に反して、リグニンの炭素同位体比は葉および根とも、バルク(全体)および表層土壌の炭素同位体比より低い値を示した。このことは、土壌有機物形成に寄与する割合が高い物質は、難分解性のリグニンではなく、セルロースおよび熱水抽出物であることを示唆していた。また、土壌深さ毎の微量元素の解析から、リター等の有機物影響が大きい土壌元素としてCa,S,P,Cu,Zn,Mnが認められ、これらは土壌有機物分解の指標となりうること、さらに、土壌が深くなるにつれ、土壌有機物に占める微生物遺体の存在役割が大きくなることが示唆された。特に、安定炭素同位体比から推測されるリグニンの挙動から、地表面と土壌中では、全く異なる分解過程を持つこと、つまり、リター中のリグニンは腐朽菌でほとんどが分解される一方、糖やセルロースなどの易分解性物質が土壌腐植の構成成分として取り込まれることを強く示唆していた。さらに、それらが微生物により分解されるとともに、微生物自体の遺体が最終的に土壌有機物として残る分解・堆積モデルの基礎になるデータを得ることができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] タイ国乾燥常緑林土壌の元素分析2014

    • 著者名/発表者名
      酒井正治、世良耕一郎、後藤祥子
    • 雑誌名

      NMCC共同利用研究成果報文集

      巻: 19 ページ: 45-59

  • [学会発表] 東北タイにおける人工林の土壌水分の季節変化と葉の炭素同位体比との関係2014

    • 著者名/発表者名
      酒井正治、Thiti Visaratana、Ratana Thain-gam
    • 学会等名
      第125回 日本森林学会
    • 発表場所
      大宮ソニックシティ
    • 年月日
      20140326-20140330
  • [学会発表] 土地利用変化に伴う土壌炭素濃度および土壌炭素同位体比の変化2013

    • 著者名/発表者名
      酒井正治、Visaratana Thiti
    • 学会等名
      第23 回日本熱帯生態学会年次大会
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      20130614-20130616

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公開日: 2015-05-28  

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