菌根菌のセシウム吸収能を調べるため、菌根菌5種(コツブタケ、ニセショウロ、アカヒダワカフサタケ、ツチグリ、ヌメリイグチ)をセシウム1ppm加えた合成液体培地にて培養した。その結果、全ての菌はアンモニア態窒素または硝酸態窒素を含む場合であっても良好に成長した。菌体中のセシウム量を測定した結果、ニセショウロにおいてセシウム量が最も多く、アカヒダワカフサタケは最も低かった。いずれの菌においても、窒素栄養源として硝酸態窒素を加えた方がアンモニア態窒素を加えた場合に比べてセシウム量は高かった。以上のことから、セシウムイオンの菌体への吸収は、陰イオンである硝酸イオンを吸収するとともに菌体内に吸収されやすいことが考えられた。また、菌根菌と腐生菌とで、菌体内のセシウム量を比較すると、菌根菌の方が腐生菌に比べて高い傾向にあった。
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