研究課題/領域番号 |
24658151
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
重冨 顕吾 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (20547202)
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研究分担者 |
生方 信 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (60168739)
三橋 進也 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 特任講師 (60526672)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ムコン酸 / リグニン / 嫌気条件 / 生分解 |
研究概要 |
本研究課題遂行の第一歩として、嫌気的条件においてムコン酸ならびにヒドロキシムコン酸セミアルデヒドの資化菌を探索するため、土壌サンプルの採集を行った。当初計画の通り、低酸素条件でリター分解を行っているという条件を下に、サンプリングサイトを選択した。2月期の北海道名寄市雨竜郡の2メートル深積雪下の土壌や、3月期北海道大学内実験苗畑の1.5メートル深の土壌を始めとして、合計10箇所の土壌から微生物ストックを調製した。 また、ムコン酸を単一炭素源とした培地の調製法について検討するとともに、ヒドロキシムコン酸セミアルデヒドの取得法についても見直しを行った。当初計画においてヒドロキシムコン酸セミアルデヒドを微生物代謝により調製する計画であったが、今後検討するラベル化実験、誘導体実験を考慮し、ヒドロキシムコン酸セミアルデヒドを有機合成することとした。合成に当たってC6骨格をC2セグメントとC4セグメントへ分割し、それぞれを酒石酸エステルならびに1,4-but-2-enediolから調製することとした。現在、それぞれのセグメントの構築と、C6骨格へのカップリングを達成している。今回立案した合成計画ではスケールアップ可能な戦略を選択しているため、今後集積培養を行うのに十分量のヒドロキシムコン酸セミアルデヒドを合成出来ると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画では微生物のスクリーニングまでを達成する予定であったが、ヒドロキシムコン酸セミアルデヒドの取得法について見直しを行ったため、スクリーニングまでを達成できていない。しかしながら、ヒドロキシムコン酸セミアルデヒドの有機合成による調製は、今後本課題を円滑に進める上で重要なステップであること、スクリーニング自体は時間を要しないことなどから、この遅れは全体の遂行において問題とならないものであると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
現在行っているヒドロキシムコン酸セミアルデヒドの合成を速やかに達成する。また、その後ムコン酸、ヒドロキシムコン酸セミアルデヒドを単一炭素源に用いた集積培養、微生物スクリーニングを行う。スクリーニングの後に種同定、エタノールを始めとする代謝産物の同定を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究の推進方策に従い、ヒドロキシムコン酸セミアルデヒドの合成材料の購入ならびに集積培養の培地とその他消耗品の購入、スクリーニング後に用いるエタノール生成評価のキット購入に研究費を使用する計画である。
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