研究課題/領域番号 |
24658152
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
阿久津 好明 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (30175814)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 木質バイオマス / 過酸化物 / バイオマス燃焼 |
研究概要 |
化石燃料に代わる新たなエネルギー源として、また地球環境問題への対応のためにバイオマス燃料の使用が推進されている。バイオマス燃料の多くは構成元素として酸素を含有するため、従来の炭化水素燃料に比べて燃焼生成物として含酸素化合物が多く生成することが予想されている。本研究ではバイオマス燃料の燃焼からの過酸化物を含む環境影響物質の生成挙動の定量的評価を行うことを目的としており、今年度は木質ペレット、及び、その構成物質であるセルロース、D-グルコースの燃焼実験を行い、その燃焼状況を確認するとともに、燃焼生成物の分析を行った。 その結果、試料によって融解やガス発生等の熱分解・燃焼挙動の特徴を認識するとともに、燃焼生成物のうち、アルデヒドについては木質ペレットからの生成がセルロースなどを上回る場合があることがわかった。特に燃焼初期段階における差異が比較的大きくなる傾向にあった。本研究で分析した他の生成物については今回の実験を行った条件下では必ずしも特徴的な差異は見られなかった。木質ペレットとその構成物質のセルロースなどの燃焼実験を行って結果を比較することにより、環境影響物質生成に関わる反応機構を考察するための基礎的知見を得ることができた。 また生成物分析において、過酸化物について共存物質の影響により本研究で用いた方法での測定値は過少側にシフトしている可能性があることが明らかとなった。共存物質の影響の程度を評価することが次年度の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
過酸化物の分析の際に共存物質の影響により測定値が過少側にシフトする可能性があることが明らかとなった。そのため、共存物質の影響の程度を評価するとともに、共存物質の影響を限定的にする捕集方法や分析方法の検討を行っている。 また、種々の試料に対する定量的な分析値を得るために燃焼装置の改良に取り組んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
過酸化物の分析に及ぼす共存物質の影響の定量的な評価について早急に検討し、必要があれば測定値の補正を行えるようにする。その後、研究計画に示した種々の条件下での燃焼実験を行い、過酸化物を含む環境影響物質の生成挙動を考察する。 特にアルコール混合燃料やバイオディーゼル燃料を試験用エンジンに使用した場合の生成物分析において共存物質の影響が懸念されるので、電気管状炉中での燃焼を中心に研究を進める。 また、生成機構を考察するために、分子量が比較的大きい生成物の分析にも可能であれば着手する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究の進行の遅れにより物品費(消耗品)の支出が予定より少なかった。 次年度の物品費と合わせて使用する。
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