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2013 年度 実績報告書

我が国における持続的な木質バイオマス利用の最適化に向けたシステムモデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 24658153
研究機関東京大学

研究代表者

鮫島 正浩  東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (30162530)

キーワード木質バイオマス / 林学 / 森林 / シミュレーション工学 / 再生可能エネルギー / 木材 / バイオマス発電
研究概要

丸太から乾燥製材品を生産するプロセスについて、製材品ベースとして年間3万m3前後を生産している製材所から実績データを入手した。それに基づき、丸太から乾燥製材品を生産する工程を皮むき・製材工程ならび乾燥・最終加工の二つにわけて、最終製品(含水率10%、密度0.4 t/m3)として1kgの乾燥製材品を生産するための必要エネルギーを、電気ならびに熱にわけて算出した。また、丸太、未乾燥製材品、乾燥製材製品の含水率をそれぞれ50%、30%、10%、さらに丸太から未乾燥製材品を生産する際の歩留まりを60%であることを前提として、LC解析ソフトGabi6を利用して全体の重量収支とエネルギー収支を求めた。その結果、このプロセスでは1kgの最終製品を生産する過程で0.787kgの木質バイオマスが得られ、これは熱エネルギーに換算すると10.45MJ相当であることが判った。一方、乾燥工程で必要とされる熱エネルギーは実績ベースで5.17MJであることから、ボイラーの熱変換効率を75%として6.89MJ相当分の木質バイオマスを利用すれば良いことが判った。したがって、このプロセスでは、余剰分として3.56MJの木質バイオマスが得られるので、これを利用してバイオマス発電を発電効率20%で行えば製材ならびに乾燥工程に必要な電力エネルギーの88%程度を賄えることが明らかとなった。さらに、最終加工工程において、5~10%分のおが屑や端材が発生すると想定すると、上記の製材プロセスでは高性能の熱電併給コジェネレーション装置を組み合わせると完全なエネルギー自立化が可能であることが示された。オーストリア視察により、同地ではすでに木質バイオマスのガス化による小型で高性能コジェネレーション装置が開発され、現場に導入されていることを確認した。我が国でも、木材利用の推進においては製材工程のエネルギー自立化が非常に重要な課題であると判断された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 学会発表 (4件) (うち招待講演 4件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 木材のマテリアル利用とエネルギー利用の理想的な共存化2013

    • 著者名/発表者名
      鮫島正浩
    • 学会等名
      バイオマス部会・研究会合同交流会
    • 発表場所
      東京大学農学部弥生講堂
    • 年月日
      20131025-20131025
    • 招待講演
  • [学会発表] 林産学ルネッサンス2013

    • 著者名/発表者名
      鮫島正浩
    • 学会等名
      日本農学会シンポジウム
    • 発表場所
      東京大学農学部弥生講堂
    • 年月日
      20131005-20131005
    • 招待講演
  • [学会発表] 我が国の森林・林業再生に向けた現状と課題2013

    • 著者名/発表者名
      鮫島正浩
    • 学会等名
      東京大学AGS研究会セミナー
    • 発表場所
      東京大学伊藤国際学術研究センター
    • 年月日
      20130924-20130924
    • 招待講演
  • [学会発表] Present Status and Challenges of Forestry and Wood Utilization in Japan2013

    • 著者名/発表者名
      Masahiro Samejima
    • 学会等名
      2013Austria-Japan Committee for issues of the future
    • 発表場所
      岩手県遠野市アエリア遠野
    • 年月日
      20130701-20130701
    • 招待講演
  • [図書] シリーズ21世紀の農学:農学イノベーション2014

    • 著者名/発表者名
      鮫島正浩
    • 総ページ数
      161
    • 出版者
      養賢堂

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公開日: 2015-05-28  

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