本研究は平滑な表面を持つ工具を用いて木材表面を高速摩擦し,木材表面に付与される耐水制御およびセラミックス化について検討した。その結果,木材の表層1mm以下の範囲において,高速摩擦による熱的作用および機械的作用を受けたコーティング層を生成することが生成できた。その表層は,塗装した木材表面と同程度の撥水性を有しており,表層部のみの改質によって,木材表面に新たな機能性が付与できることがわかった。さらに,高速摩擦条件における木材中の温度変化を調べることにより,木材への圧力条件が温度変化に依存しており,その圧力条件を制御することにより,木材中の温度を高温状態まで制御できる可能性があることがわかった。
|