糖に疎水性の置換基の結合したハイブリッド構造は、キノコ子実体形成に有効であると考えられる。そこで本研究では、化学合成の手法も駆使し、種々のグルコシルセラミドとグリセロ糖脂質アナログからなる候補化合物ライブラリーを構築した。ペーパーディスクを用いたヒラタケに対する子実体誘導活性試験の結果、グリセロ糖脂質においては糖の数、アシル基側鎖の長さが、またグルコシルセラミドにおいてはアグリコンの構造の違いが活性に関与することが判明した。グリセロ糖脂質において10μg、グルコシルセラミドにおいて1μgの微量のディスクへの添加で、菌糸のアグリゲーションと原基を誘導する効果的な活性物質を見出すことに成功した。
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