木材細胞壁内における保存剤の分布と性状は、保存効力の善し悪しを決定づける重要な因子となるが、木材細胞壁における保存剤(特に銅)の挙動は詳細に解明されていない状況にある。本研究では、ナノスケール解析が可能な超高分解能電子顕微鏡技術を導入して、木材細胞壁内に取り込まれた“銅”の直接可視化を行うと共に、可視化する際に克服すべき技術課題の洗い出しを行った。その結果、分析電子顕微鏡の最新鋭の収差補正機能を駆使し、さらに木材細胞壁の観察・分析に適するような条件を編み出したことによって、銅の挙動をナノスケールで捉えることが可能となった。
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