研究課題/領域番号 |
24658164
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
桜井 泰憲 北海道大学, 水産科学研究科(研究院), 教授 (30196133)
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研究分担者 |
野呂 恭成 地方独立行政法人青森県産業技術センター, 水産総合研究所, 総括研究管理員 (00508343)
山本 潤 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 助教 (10292004)
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キーワード | ゴーストフィッシング / タコ篭漁 / ミズダコ / 脱出口 / 行動追跡 / 資源管理 / 脱出口付タコ篭 / 実用化 |
研究概要 |
H25年度は,水槽内にタコ篭を装着し,篭内でのミズダコの行動観察と,既成のタコ篭にサイズの異なるリング(脱出リング)を取り付け,どのサイズのリングで3㎏未満のミズダコが脱出できるかを検証した。タコ篭内でのミズダコの行動観察では既成の丸タコ篭(既成篭)に餌を入れて中央に装着し,入網からその後の行動を水槽中央上部および側面からビデオカメラで撮影した。また,脱出リングを装着した実験篭にミズダコを入れ,異なるサイズの脱出リングからの脱出行動と,その際のミズダコのサイズ(体重)を計測した。脱出リングには,DGK社製の円形のタフバケリング(内径40・50・60・70・80mm)を用いた。丸タコ篭の側面の底部より10cm以内に同じサイズのリング8個を網に結束させた5種類の実験篭を用意した。脱出の可否の判定には,タコ篭漁業での篭の最短浸水時間(24時間)以内に脱出できない場合を,脱出不可能とした。なお,実験終了時にミズダコの体重を記録し,体重と脱出可能な脱出リングの口径との関係を求めた。その結果,青森県での再放流サイズである体重3kgの個体が脱出できる脱出リングの最小内径は53.3mmとなった。次に,実際に漁業現場で口径55mmの脱出リングを装着したタコ篭を使用し,小型個体のみを選択的に逃がすことが可能かを,函館市臼尻のタコ篭操業現場で実証した。12月までの操業試験では,3kg以下の小型ミズダコの入網がなく,実用化可能と判断した。さらに,H26年3月には,同じ海域で送信ロガーを装着したミズダコを放流し,篭周辺での行動を受信装置で追跡した。この追跡は,事業終了後の4月以降も続け,その後受信データの解析を実施する。
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