ウナギ人工種苗生産の初期餌料は現在アブラツノザメ卵をベースとしているが、本種は絶滅危惧種であり、将来使用できなくなることから、新たな餌の開発が急務である。本研究は天然のウナギ目仔魚の餌を調査し、これをベースとした新規餌料を開発し、人工種苗生産に資する技術開発を行うことを目的とした。 尾虫類のハウスと糞粒は沿岸から外洋のウナギ目仔魚の消化管から高頻度でみられることが明らかになった。また、ウナギ産卵海域における優占種が放棄したハウスや糞粒はウナギ仔魚の主要な餌と推測された。この結果に基づき、外洋性尾虫類の培養を試みたが、体が脆弱で、状態の良い個体が得られずハンドリング、輸送等に課題が残された。
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