トラフグ,クルマエビおよびアサリは干潟域で種苗放流が行われており,同所的出現の可能性があるが,定量的な種間関係の検討は行われていない。そこで本研究では,天然水域における放流種苗の食性の再調査を行ない,メソコスムにより3種間の捕食-被食関係を調査した。さらに,異なる環境条件下での3種の種間関係を調べた。その結果,小型トラフグ稚魚は天然水域で甲殻類を選食すること,低塩分下で体長比20-118%のクルマエビと殻長10㎜未満の二枚貝を捕食すること,また,クルマエビは体長の9.5%以下の殻長のアサリを捕食することが分かった。以上の知見をもとに,放流適地となるマイクロハビタットと時期に関する考察を行った。
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