魚介類由来の代表的なタンパク質(トロポミオシン、ミオグロビン、ミオシン)につき、構造の不安定性について分子動力学シミュレーションを用いて検討した。温度や圧力を変化させた時の構造揺らぎを推定し、種特異的な安定性の違い、同一タンパク質分子内における揺らぎの程度などについて詳細に調べた。巨大分子のミオシンを除くタンパク質については、不安定性に関わる分子内の領域を特定することができた。特にトロポミオシンでは、分子の屈曲に及ぼすアミノ酸置換の影響について新たな知見を得ることができ、一方、ミオグロビンについては、広範囲の温度帯や圧力条件下における構造揺らぎの程度を詳しく解析できた。
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