研究課題/領域番号 |
24658191
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
大江 靖雄 千葉大学, 園芸学研究科, 教授 (60302535)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 農村イノベーション / 農業の多面的機能 / 外部性 / 農村ツーリズム / 教育効果 |
研究概要 |
今年度は、以下の研究成果を達成した。 1)農業の教育機能を実践している酪農教育ファームと一般酪農の後継者世代に対してアンケート調査を行い、その経営多角化への意識を解析した。その結果、酪農教育ファーム後継者では、経営多角化に極めて積極的で、体験サービス活動についてもボランティアではなく、経営部門としての位置づけがみられることを明らかにした。2)地域ブランド農産物と農村地域の観光活動との関連性を明らかにするために、全国農業へのアンケート調査によるデータから、計量経済学モデルを構築して、両者に有意な関連性があることを統計的に明らかにした。3)我が国の教育旅行の動向について分析して、体験を取り入れたプログラムが増加傾向にあること、農業体験は大きな割合ではないものの、一定の役割を占めていることを明らかにした。4)千葉県の農村ツーリズムの特徴について、観光需要全般との比較により分析して、その特徴を考察した。その結果、千葉県の観光需要は、都市型テーマパークが大きな役割を果たしているものの、農村ツーリズムに関しては、NPOなどとの水平的な連携により活動を発展させている点を指摘した。4)イタリアのアグリツーリズムの展開について、需要サイドからその特徴を分析した。その結果、国内市場と外国人観光客の二つの市場で成立していることが需要増加に大きな貢献をなしてきたことを明らかにした。5)フランスの農村ツーリズムについて、実態調査とデータ収集を実施した結果、農村資源利用のレベルが我が国の場合よりも高いことが判明した、しかし、過疎化・高齢化の進展は、同様であり新たな対応が求めれている点は共通していることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度(平成24年度)の研究計画の進捗が当初計画より、調査対象地の事情により遅れている。次年度(平成25年度)に進捗のスピードアップにより、計画の達成見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
次年度(平成25年度)の進捗を図るため、海外の調査地を増やして研究を実施する計画であるため、その調査のための旅費等の確保して対応する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は、海外研究者との共同研究を実施する。具体的にはイタリア及びフランスの研究者との農村資源管理と活用に関する共同研究を実施する。このための旅費を計画に組み入れている。
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