渡り鳥の飛来によって富栄養化が進んでいる農業用溜池では、糞尿由来の栄養塩が蓄積された底泥の処理が重要な問題となる。一方で、この底泥を農業用肥料あるいはメタンガス発酵の基質として活用することができれば底泥処理や農業生産活動のコスト軽減化につながる。上記の2点について山形県鶴岡市の大山上池・下池の底泥を使用した室内実験を行った。結果として、底泥を重量換算で約7%混入することによって慣行の化学肥料とほぼ同等の効果が得られることが判った。また、メタン発酵では温度環境を調整することにより、最大で約30%のメタンガスが回収可能であるという結果が得られた。
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