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2012 年度 実施状況報告書

植物でのトランジェント発現法による組換えタンパク質生産法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24658210
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関信州大学

研究代表者

野川 優洋  信州大学, 繊維学部, 准教授 (10283037)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード農業工学 / バイオテクノロジー / 植物 / 応用微生物 / タンパク質
研究概要

トランジェント発現のためのレポーター遺伝子として、植物内でのみ発現するintron-GUS遺伝子を保持するAgrobacterium tumefaciens LBA4404株を接種試験に使用した。A. tumefaciensを接種する植物として、サラダカブ、レタス、イチゴを用いた。接種後、レポーター遺伝子の発現は、GUS活性の測定と GUS染色法によって行った。サラダカブの塊根へのA. tumefaciensの接種は注射器を使用して行った。サラダカブの塊根では、レポーター遺伝子の発現を示すGUS活性が測定され、GUS染色による観察でも塊根の形成層部分で良く発現していることが確認された。葉物野菜であるレタスとサラダカブの葉へのA. tumefaciensの接種は、バキュームインフィルトレーション法で行った。A. tumefaciens接種後においても、レタスは旺盛な生育を示したが、GUS遺伝子の発現は観察できなかった。サラダカブの葉にA. tumefaciensを接種した場合は、塊根に接種した場合と異なり、レポーター遺伝子の発現は観察できなかった。イチゴの果実に接種した場合は、GUS活性は見られたが接種後のイチゴ果実の劣化が激しくトランジェント発現に適していないと考えられた。ダイズについては本年度は取り扱うことができなかった。本年度の研究でトランジェント発現によるレポーター遺伝子の発現が観察できたサラダカブの塊根では、GUS活性に大きなばらつきがあり、トランジェント発現法の条件検討は十分に行う事ができなかったが、比較的若い塊根を使用して、A. tumefaciens接種後に20℃程度の温度の暗条件に1から2日保持し、その後25℃で明期12時間、暗期12時間の光条件で栽培する条件で比較的高い活性が得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度実験に使用した作物では、トランジエント発現が見られない、発現した場合でも得られる活性のばらつきが大きく、トランジェント発現させる場合の条件の検討が進まなかった。実験スペース(人工気象器の台数)の関係で、様々な条件を検討する事ができなかった。今後はトランジェント発現法に適した作物を探索する必要がある。

今後の研究の推進方策

本年度に行ったGUS活性の測定では、植物1gあたりの目的タンパク質の発現量(μg)を正確に示すことができない。そこで、イントロン(Cat1 intron)を持たせ植物内でのみ発現させることができ、イムノブロットで検出するためのタグ(6xHis、GST)を融合したレポーター遺伝子(GUS、GFP、Luc)を作成し、バイナリーベクターを構築し、A. tumefaciens LBA4404に導入し、トランジェント発現実験に使用する。
この研究では、A. tumefaciens接種後、完全制御型の植物工場でのトランジェント発現を想定している。植物工場の光環境でも旺盛な生育を示す作物が、本実験に適していると考えている。当初実験に使用する事を想定していた作物だけでなく、より多くの種類の作物を用いてトランジェント発現実験を行い、よりトランジェント発現に適した作物を探索する。

次年度の研究費の使用計画

該当無し

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公開日: 2014-07-24  

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