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2013 年度 実施状況報告書

植物でのトランジェント発現法による組換えタンパク質生産法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24658210
研究機関信州大学

研究代表者

野川 優洋  信州大学, 繊維学部, 准教授 (10283037)

キーワード農業工学 / バイオテクノロジー / 植物 / 応用微生物 / タンパク質発現
研究概要

トランジェント発現のためのレポーター遺伝子としてGUS遺伝子またはintron-GUS遺伝子を保持するAgrobacterium tumefaciens LBA4404株を接種試験に使用した。昨年度の結果から、A. tumefaciensを接種する作物として、イチゴ以外のサラダカブ、レタスを使用した。サラダカブの塊根では、レポーター遺伝子の発現を示すGUS活性が測定されたが、A. tumefaciens培養液を注射器により塊根に接種するため、一度に多量のサンプルを処理するには適していない。一方、バキュームインフィルトレーション法は、葉をA. tumefaciens培養液に減圧条件下で浸漬する方法で、大量サンプルの処理に適している。また、植物工場での栽培が盛んな葉物野菜にそのまま適用可能な接種方法である。本研究ではレタスを使用したが、植物工場で栽培した収穫期のレタスにA. tumefaciensを接種してもレポーター遺伝子の弱い発現を観察するにとどまった。このときA. tumefaciensを接種後もレタスが旺盛な生育を示したことから、A. tumefaciensに対する抵抗性が高いと考えられた。収穫期のレタスよりも、A. tumefaciensに対する抵抗性が弱いと考えられる、若い播種1から3週間のレタスを実験に使用した。この結果、intron-GUSレポーター遺伝子の発現量5倍に、イントロンを持たないGUSレポーター遺伝子での発現量は24倍に増大した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度実験に主に使用した宿主作物であるレタスでは、当初トランジエント発現が見られない、発現した場合でも得られる活性は弱く、そのばらつきも大きかったことから、トランジェント発現させる場合の条件の検討が進まなかった。しかし、A. tumefaciensに対する植物の抵抗性を考慮し、若い植物を使用する事でトランジェント発現を増大させることができた。しかし、実験スペース(人工気象器の台数)の関係で、様々な条件を検討する事ができなかった。

今後の研究の推進方策

本年度の研究から、生育段階の比較的若い植物を宿主に使用する事によって、トランジェント発現を増大させることができる可能性が示された。ブドウでのA. tumefaciens接種によるトランジェント発現の効率が、品種により大きく異なることが報告されており、他の作物においても、A. tumefaciensに対する抵抗性の弱い品種を選ぶことによって、トランジェント発現を増大させることが可能になると考えられる。本年度の実験に使用したマザーグリーン以外のレタスの品種を試験する。
本年度に行ったGUS活性の測定では、植物1gあたりの目的タンパク質の発現量(μg)を正確に示すことができない。そこで、GUSタンパク質に対する抗体を使用したウエスタンブロットにより、組換えタンパク質の発現量を定量する。

次年度の研究費の使用計画

本年度は組換えタンパク質に対する抗体を使用して、トランジェント発現した組換えタンパク質の測定を行う予定であったが、ウエスタンブロッティングによる定量実験を行う事ができなかった。そのため次年度使用額が生じた。
組換えタンパク質のウエスタンブロッティングにより定量に使用するタンパク質の電気泳動セット、ブロッティング装置や試薬キットを購入する。また、組換えタンパク質の活性染色用試薬、活性測定用試薬の購入、レタス他の栽培する宿主作物の購入費として、また、GUS 以外のレポーター遺伝子の購入と新しい植物発現用バイナリーベクターの作成の費用として使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Vacuum infiltration法を用いた葉物野菜でのtransient expressionによる外来タンパク質の発現2013

    • 著者名/発表者名
      野川優洋、髙木亜紀代、北澤遥香、中田英典、野末雅之
    • 学会等名
      日本生物環境工学会
    • 発表場所
      香川大学幸町キャンパス(香川県)
    • 年月日
      20130902-20130905

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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