研究課題/領域番号 |
24658214
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
椎名 武夫 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品工学研究領域, 上席研究員 (40353974)
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キーワード | モデリング / ストレス / 青果物 |
研究概要 |
2パラメータ(m、n)からなる一般のWeibull分布に、新たに生体応答の応答倍率を表すパラメータ(A)を追加した、3パラメータ型の修正Weibullモデルを構築し、キャベツについて、落下衝撃に対する呼吸速度(二酸化炭素排出速度)の上昇、およびストレス応答関連遺伝子(SAM合成酵素、ACC合成酵素、フェニルアラニンアンモニアリアーゼ、アスコルビン酸ペルオキシダーゼをそれぞれコードする遺伝子)の発現変動をモデル化した。 具体的には、落下条件(平面への落下で、落下高さが20および80cm)、および落下後の保存ガス条件(空気およびCAガス条件)の影響、並びに、傷害部位からの距離(突起への落下で、2cmΦの直撃部および、1cmΦの周辺部(傷害部位から中心距離で5.5cm))の影響を評価するため、各実験データに対して、非線形最小自乗法を適用し、3つのパラメータ(A、m、n)を算出した。 解析結果より、ストレス応答の強度をAにより評価できること、m、nはストレスによる生体応答曲線の時間変化を規定し、m、nにより応答パターンの評価が可能であることを示した。これらの成果を論文としてとりまとめ、ポストハーベスト分野の著名なJournalに投稿し、現在、再査読中である。 また、ダイコンについて、傷害部位からの距離(1cmΦの傷害部位およびその周辺部2cmΦ)がストレス応答関連遺伝子の発現に及ぼす影響を解析し、その成果を学術誌に公表した。さらに、キャベツについて、落下高さの異なる条件でストレス応答関連遺伝子の発現解析を実施し、その成果を国際学会で発表するとともに、学術誌に論文投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成25年度は、温度および湿度、エチレン暴露等のストレス因子を制御し、その応答解析を実施する予定であった。しかしながら、使用する予定であった研究施設(流通実験棟)が、平成25年10月から26年3月まで全面改修が行われたため、当該研究を実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の研究計画で、施設が使用できず研究が遅れたため、研究期間の1年延長を申請し、承認を得た。 平成26年度は、食品総合研究所に新たに整備された設備を使用して、平成25年度に実施できなかった温度および湿度、エチレン暴露等のストレス因子の負荷に対する応答解析を実施する。なお、所属機関が食品総合研究所から千葉大学へと変更となったが、設備を使用することについて、食品総合研究所から承諾を得ている。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度に、温度および湿度変動、エチレン暴露等のストレス因子を制御し、その応答解析を実施し、成果を関連学会で発表する予定であった。しかしながら、研究で使用する予定であった施設(流通実験棟)が、平成25年10月から26年3月まで全面改修が行われたため使用できず、計画を変更して平成26年度に実施することとしたため、未使用額が生じた。 温湿度変動やエチレン暴露等のストレス応答解析と国内外学会(園芸学会及び国際園芸学会主催)での発表を平成26年度に行うこととし、H25年度未使用額をその経費に充てることとする。
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