研究課題
青果物の各種ストレス応答をモデル化するとともに、得られたモデルを基礎として、各種ストレスによる品質変化を予測するための手法開発を行うことを目的として研究を実施した。まず、製品の故障評価などに利用されてきた2つのパラメータからなるWeibull分布を、応答の絶対量の違いに対応できるようにするため、修正Weibull分布の開発を行った。開発したモデルは、応答の絶対量の違いを評価できるようにパラメータを追加した、3パラメータ型の修正Weibullモデルとした。この修正Weibullモデルを用いて、キャベツ等への物理ストレス負荷時の遺伝子発現、呼吸速度(二酸化炭素排出速度)の変化について、非線形最小二乗法による回帰分析を行い、モデルへの適合性が高いことを確認した。また、得られたパラメータを用いることで、ストレスの強度や特徴を判断することが可能であり、ポストハーベストハンドリング等の適否判別への利用が可能であることを示した。これらの研究成果は、Postharvest Biology and Technology誌に掲載された。平成26(2014)年度は、エチレンガス暴露等、物理ストレス以外のストレス負荷への生理応答についても検討を行い、現象のモデル化を試み、これまでに得られた関連成果を含めて、国際園芸学会議2014で発表した。また、応答遅れがある現象に関して、新たな修正Weibullモデルを考案し、その適用性についても検討を行った。さらに、ストレス応答におけるピーク出現タイミングを評価するための手法開発についても検討を行った。今後、与えられたストレスの種類・強さと、修正Weibull分布のパラメータとの関係を解析し、ストレスの種類ごとにストレス強度が品質変化へ及ぼす影響を定量的に予測するための、新たなモデル開発へと研究を発展させる予定である。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (2件)
Postharvest Biology and Technology
巻: 96 ページ: 118-127
10.1016/j.postharvbio.2014.05.014
Journal of Food Engineering
巻: 125 ページ: 51-58
10.1016/j.jfoodeng.2013.10.027