研究概要 |
供試作物にはレタス(Lactuca sativa L.,cv.“Greenwave”)を使用した。人工気象機(三洋電機(株)、MLR-350)内で2週間栽培した。栽培環境は気温22℃、光量子束密度80μmol m-2 s-1とした。湿度とCO2濃度は非制御である。光源はLED(CCS(株)製ISL-150×150-RB)を使用した。試験区はR/B比(赤色光と青色光の光量子束密度の比)および明暗周期によって決定され、R/B比が1, 5, 10, 20の4試験区、明暗周期が1h/1h, 3h/3h, 6h/6h, 12h/12hの4試験区、合計16試験区で栽培実験を行った。各試験区の栽培株数は4株であった。栽培実験中にFANTEC社製のFRUIT QUALITY ANALYZERにより近赤外線吸光スペクトルをサンプリング周期20分で連続自動計測した。測定可能波長領域は600 nm-1000 nmで分解能は2 nm、積算時間は50 msとした。上述の連続自動計測とは別に収穫時に取得したスペクトルと収穫株の硝酸イオン濃度値を濃度推定モデル作成に使用した。また、硝酸イオン濃度経時計測を栽培開始直後から行うため、育苗後直ちに収穫したサンプルも解析に加えた。硝酸イオン濃度実測値の測定はイオンクロマト法(東亜DKK(株)、IA-300)によって行った。校正実験で使用したサンプル数は394であった。 硝酸イオン濃度経時計測には2つの検量線を適用した。サンプルの生体重増加量が5.6 g以下の場合と5.6 gを上回る場合とで別の検量線を適用した。小さいサンプル用検量線の推定精度は相関係数が0.55、大きいサンプル用のそれは0.86となった。この検量線を使用してレタス内硝酸濃度経日変化を測定した。 Matlabを使用してFANOVA解析プログラムの開発を進めた。
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